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転職に必要な英語力とは、どのようなものでしょうか?

職種やポジションによっても必要な英語力は異なりますが、英語力が高い人材を採用したいと考えている企業が多い傾向にあります。市場が年々グローバル化し、日本企業が海外市場を開拓していく必要があることや、海外からの労働者が増えつつあることが、その理由だと考えられるでしょう。

この記事では、転職で求められる英語力やTOEICスコアの重要性、さらには具体的に英語力をアップさせるためのコツなどを紹介していきます。

転職で必要とされる「英語力」とは

転職した会社や配属先によって、必要とされる英語スキルは異なります。同じ会社であっても、営業職は英語が不要で、海外本社とのやり取りが必要な管理職は高い英語力を求められる場合があります。

さらに、求められる英語スキルも、素早く情報を読み解くリーディング力から、適切に自分の意見を主張し、相手と交渉するディスカッションスキルまで、職種や役割によってさまざまです。

そこでまずは、転職をするうえでアピール材料となる、おもな3つのスキルについて解説します。

スムーズに仕事を進める英語力

スムーズに仕事を進める英語力とは、「所属している部署で必要とされている英語スキル」を指します。交渉を含めたコミュニケーション、メール作成、翻訳など、職種によって求められるスキルは異なります。

例えば、マネジメントを任される管理職などでは、プロジェクトの進捗管理や課題解決のために、高度なコミュニケーションスキルやディスカッションスキルが必要となるでしょう。

なお、高いTOEICスコアを取っておくことも大事ですが、点数はあくまでも能力を測る目安です。最も重要なのは、自分の職務をまっとうするための英語力が身に付いているかどうか、という点です。

スピーキング力とプレゼンテーション力

転職で問われる英語力には、スピーキング力とプレゼンテーション力が挙げられます。

特に外資系企業では、上司や同僚が外国人で社内の共通言語が英語、というケースが多くあります。そのため、スムーズなコミュニケーションを行なうには、ビジネスレベルの英語力が欠かせません。

会議でのプレゼンテーションや、課題解決に向けての意見交換などでも、英語を話す力は重要視されます。

また、近年はコロナ禍による働き方の変化により、電話やオンラインでのやり取りが増えています。そのため、対面時には効果的だったジェスチャーや、表情などの非言語コミュニケーションが取りづらくなりました。

このことからも、以前にも増してスピーキング力やプレゼンテーション力といった「話す力」「伝える力」が求められているのです。

英語力にプラスαの専門性

転職先で求められる専門知識や経験など、英語以外のプラスαの要素があると、採用面で有利に働くでしょう。

新卒入社とは異なり、企業側は、転職後すぐに即戦力として活躍できる人材を確保したいと考えています。そのため、業務を遂行できる英語力があるのは前提としたうえで、必要な経験や専門分野の知識が必要なのです。

例えば、営業職として入社するのであれば、過去の営業実績が重要になるでしょう。IT分野であれば、当然専門的なIT知識が必要になります。

転職したいと考えたら、英語力を伸ばすのはもちろん、転職先の職場で必要とされる専門知識や経験を積んでおくことも重要です。

転職時に英語力が必要なおもな職種

外資系企業はもちろん、最近は日系企業でも英語力が必要とされるケースが増えています。そのため、転職時にTOEICスコアの提出や英語面接を求める企業は多くあります。

高い英語力が転職に有利に働くかどうかは職種によりますが、英語力があるほうが、転職の選択肢が増えるのは間違いありません。

では、具体的にどのような職種で英語力が求められるのでしょうか。

営業系への転職

英語を用いる営業系には、大きく分けて国内営業と海外営業があります。

・国内営業
国内営業では、おもに海外の商品やサービスを日本の顧客に売り込みます。そのため、スピーキング能力はそれほど必要とされませんが、商品知識の理解のために、英語で書かれた仕様書を理解する力などが求められます。

・海外営業
海外営業では、自社の商品やサービスを海外市場に提供します。したがって、海外顧客との電話や対面での英語コミュニケーション、メール作成能力が問われるでしょう。

また企業によっては、海外出張が頻繁にあったり、海外に駐在して勤務したりするケースもあります。

事務系への転職

事務系への転職では、以下のような職種で英語が役立ちます。

・貿易事務
貿易事務では、輸出入関連の業務を担当する際の電話やメール、書類作成などを英語で行ないます。展示会への参加などで、海外出張に行くこともあるでしょう。

・人事労務
人事労務では、外国人スタッフを募集する場合に選考に携わったり、労働ビザなど実務的な手続きを担当したりすることがあります。また海外法人がある場合には、労務管理を行なう際に相応の英語力が必要です。

・経理
外国人労働者の増加にともない、経理では会社の財務状況を外国人スタッフに説明する、といった業務が発生する可能性があります。さらに、海外法人や支店がある会社で働くなら、国際会計や国際税務に関する専門知識を求められるケースもあるでしょう。

技術系への転職

技術系への転職では、以下のような職種で活躍の機会があります。

・ITエンジニア
ITエンジニア(システムエンジニア、プログラマー、ソフトウェアエンジニアなど)は、提携先企業や顧客とのやり取りで、英文メールを書いたり、英語を話したりする能力が求められます。

また、日々進歩するIT業界の最新情報を得るためには、英語での情報理解力が必須です。

・MRや臨床開発、治験関連
MR(Medical Representatives:医療情報担当者)や臨床開発、治験関連の職種のうち、外資系の製薬会社や医療機器メーカーで勤務する場合には、ミーティングなどで英語を使う機会が多いでしょう。

英語力はもちろんのことですが、製薬業界や医療業界に関する専門知識も必要です。

サービス系への転職

サービス系への転職では、以下のような職種で英語力が重宝されます。

・ホテルスタッフ
ホテルスタッフのなかでも、外国人宿泊客と直接接する部署に配属された場合は、英語を使う機会が必然的に多くなります。

宿泊客からの質問はある程度決まっているため、高い英語力がなくとも最低限の業務は可能でしょう。しかし、一人ひとりの宿泊客のニーズをくみ取って対応するなら、英語力だけではなくコミュニケーション力も必要です。

・旅行会社の営業や添乗員
旅行会社で外国人顧客に対応する場合には、英語のメールや電話、対面でのコミュニケーションなどが求められます。
そのほか、国外の取引先との交渉や打ち合わせなどにおいても、英語は必須のスキルとなるでしょう。

専門職への転職

専門職への転職では、以下のような職種で英語の使用機会があります。

・特許や知的財産関連
特許出願業務を行なう特許・知的財産関連業務では、特許出願書類の作成や調査などに英語力が必要になるケースがあります。これらの業務は専門性が高いため、専門分野に関する知識や業務経験が必須となるほか、海外でのビジネス文化などについての知見を求められる場合もあるでしょう。

・コンサルタント
企業の課題を解決するためにアドバイスを行なうコンサルタントは、業務内容によって要求される英語レベルが異なります。たとえ、クライアントと英語でやり取りする必要がない場合でも、コンサルタントとして最新情報を得るためには、英語力が欠かせません。

・金融や投資関係
金融や投資関連としては、おもに銀行の投資部門、M&A、海外審査などの業務で英語力が必要となります。金融系や投資関連の仕事は外資系企業の求人が多いほか、外資系でなくても取引先企業が海外にある場合などには、高い英語力が求められる可能性があります。

【転職活動】英語力の証明にはTOEICスコアが役立つ

応募者の英語力を測るため、近年、TOEICスコアの提出を求める企業が増えてきています。もちろん、TOEICスコアが高いからといって、本当に業務で必要な英語力が備わっているかどうかは証明できません。

とはいえ、TOEICスコアがなければ応募すらできない企業があることを考えると、TOEICスコアを取得しておいて損はないといえるでしょう。

転職の応募条件として、TOEICスコアが必要な企業もある

本章の冒頭でも触れたとおり、転職の応募条件としてTOEICスコアの提出を必須としている企業は多数あります。
職務に必要な実践的な知識やスキルが備わっていたとしても、TOEICスコアが基準に達していなければ、「最低限必要な英語力がない」と判断されて、書類審査の段階で不合格になる可能性が高いです。

実際に、TOEICスコアが転職採用の際に必要になる企業を見てみましょう。例えば、ユニクロやGUを展開する企業であるファーストリテイリングでは、PR担当の中途採用にTOEIC700点以上が必要とされています。

出典:
ファーストリテイリンググループ採用情報

また、さまざまなグループ会社を持つ楽天株式会社では、入社までにTOEIC800点以上の取得が必要となっています。

出典:
楽天グループ求人情報

転職後、英語力を活かして即戦力として活躍できる

TOEICスコアが高いと、海外事業部など英語力が必要な部署に即戦力として配属される可能性が高まります。

TOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会の『英語活用実態調査2019』によると、TOEICスコアを海外赴任や海外出張の基準としている企業が約27%、配属決定の基準としている企業は約22%という結果が出ています。

出典:
国際ビジネスコミュニケーション協会|英語活用実態調査2019

転職後すぐに英語を使う部署で活躍したい場合には、できるだけ高いTOEICスコアを取得して英語力をアピールするとよいでしょう。

転職後の昇進や昇給に影響する場合も

高いTOEICスコアを保有することで、転職後の昇給や昇進を有利に進めることができる場合もあります。前述した『英語活用実態調査2019』によると、昇進条件としてTOEICスコアを利用している企業は約33%と、全体の3分の1に上ります。

その他、報奨金や資格手当が支給される企業もあります。期間限定ではありましたが、ソフトバンク株式会社がTOEICスコア900点以上を持つ社員に対し、100万円の報奨金を出すというニュースが話題になったこともありました。

『英語活用実態調査2019』には、この他にも報奨金の例が数多く掲載されています。例えば、不動産業界のある企業では、TOEIC890点以上で36ヵ月間、月7,500円の手当を支給する、とした実例もありました。この場合、TOEIC890点以上を取得しているだけで、3年間で合計27万円の手当が支給されることになります。

出典:
国際ビジネスコミュニケーション協会|英語活用実態調査2019

転職に向けて、短期間で英語力をアップさせる方法

転職に向けて、短期間で英語力をアップさせるには、どのようにしたらよいのでしょうか?
「毎日仕事や家事などに追われ、勉強時間がなかなか取れない……」と悩む方もいるでしょう。しかし、正しい方法を用いて効率的に学ぶことができれば、最短ルートで英語力を飛躍的に向上させることも不可能ではありません。

以下で、その方法について具体的に解説していきます。

英語のリズムを身に付ける

英語力をアップさせるためには、英語特有のリズムを身に付ける必要があります。

基本的に、日本語はすべての音節を均一に発する言語ですが、英語は強弱をつけて話す言語です。つまり、日本語と同じリズムで英語を理解しようとすると、「聞きとれない」「話せない」ということになってしまいます。

英語では、名詞、動詞、形容詞、副詞、疑問詞など、意味を理解する上で重要となる内容語を「強く長く」発音し、その他の冠詞や代名詞などの機能語を「弱く短く」発音するという特徴があります。

以下の例文を見てみましょう。この例文では、赤字の部分を強く長く、しっかりと発話します。

I wanted to talk to her again.

上記のように、会話のなかで重要な単語を「長く伸ばして、強く」発音することで、話の要点や伝えたいポイントを表現するのが、英語という言語なのです。

関連記事:
英語はリズム感が超重要!4つの基本ルールと簡単トレーニング法を紹介

英語の発声法を意識した訓練を行なう

日本語は口先のみを使って平たく発声する言語ですが、英語は喉の奥から胸全体に音を響かせるように発声する言語です。喉元を下げるようなイメージで、オペラ歌手のように奥行きのある音を出す発声法を練習することで、少しずつネイティブスピーカーのような自然な英語の発声に近づけます。

ただし、自分一人では正しい発声法を用いて話せているのか、判断するのは難しいものです。したがって、発声法に関する専門知識を身に付けたネイティブスピーカーの英語講師からフィードバックを受けながら、トレーニングを進める必要があります。

前述した英語のリズムも同様ですが、独学の練習によって誤った癖が染みついてしまうおそれもあるため、十分に注意しましょう。

関連記事:
英語上達のカギは「発声法」にあり!トレーニングの方法やポイントを解説

毎日短時間でも勉強を継続する

英語は、たまに長時間勉強するのではなく、短時間でも毎日継続して勉強することが大切です。一日30分程度で構わないので、勉強時間を確保しましょう。

例えば、通勤電車のなかではスマートフォンアプリでリーディングの勉強をする、歩いているときはリスニングの練習をする、朝起きてから寝るまでの行動を英語で実況中継してみるなど、スキマ時間を有効活用して、英語を日々の生活のルーティンに組み込んでいってください。

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英語学習の習慣化にはコツがある!おすすめの6つのアクションを紹介

英語力を武器に転職を成功させよう

この記事では、転職時に必要とされる英語力について解説しました。

希望する業界や職種にもよりますが、近年、転職時にTOEICスコアの提出を求められるケースが増えてきています。また、今日の日本においては、「英語力がある=高い能力がある、勉強熱心で向上心がある」と判断されることが多いため、転職を有利に進めるきっかけにもなるはずです。

ただし、TOEICスコアはあくまでも英語力を測る目安であって、本当に重要なのは実際の仕事で求められる「使える英語力」です。

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