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海外赴任が決まったのに英語ができない……起こりうる問題と英語上達のヒントを解説
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海外赴任が決まったとき、まずどのようなことを考えますか。赴任先での業務や新生活に心を躍らせる一方、「英語力は大丈夫だろうか……」と不安になる人も多いかもしれません。
特に渡航までに時間がない場合は、各種手続きに時間を取られ、英語を学習する時間をあまり確保できず、気持ちばかり焦ってしまいがちです。「向こうに行ってしまえば自然に英語力も付くだろう」と思いたくなりますが、やはり一定レベルの英語力を身に付けてから赴任しなければ、ビジネスや生活に支障が出てしまいます。
そこで今回の記事では、海外赴任を控えている人に向けて、英語力不足がもたらす問題と英語上達のヒントをお伝えします。ぜひ、渡航前の参考にしてください。
記事の目次
海外赴任に必要な英語力の目安とは?
海外赴任には、どの程度の英語力が必要なのでしょうか。そして、赴任先で求められるのはどういった英語力なのでしょうか。
海外赴任に必要な英語力の目安としては、一般的に「TOEICで最低でも600点、できれば800点以上取得しておくのが望ましい」などといわれています。こういった目安を見聞きし、「TOEICの点数をもっと上げなくては」「すでに800点以上あるから大丈夫そうだ」などと思う方も多いかもしれません。
しかし実際には、たとえTOEICで満点(990点)でも、海外赴任先でまともに仕事をこなせない可能性も大いにあります。TOEICの高得点取得者でも「聞き取りや読み書きはできるが、ネイティブスピーカーと対等に会話ができるレベルの英語力はない」というケースが多く見受けられます。
海外で働くために必要なのは、試験で使えるリスニング力や読み書き能力ではなく、ネイティブスピーカーとコミュニケーションできる「生きた会話能力」です。つまり、海外赴任のために必要な英語力は、資格の有無や試験の点数では測れないのです。
【海外赴任】英語力不足で起こる5つのおもな問題
英語力が足りない状態で海外赴任すると、どういった問題が起こるのでしょうか。業種や職種に関わらず、英語力不足が引き起こす代表的な問題を見ていきましょう。
対等なビジネスの相手とみなしてもらえない
海外赴任先では、流暢な英語を話すビジネスパーソンがほとんどですが、当然のことながら、全員がネイティブスピーカーではありません。
ネイティブスピーカーでない人たちこそ、一様に努力して英語を習得し、一定レベルに到達しています。つまり、あなたはこれから、一定レベルの英語力があって当たり前の環境へと飛び込むわけです。
海外赴任したときに拙い英語しか話せなかった場合、「なぜこの人はこのレベルの英語力しか持っていないのだろう……」と思われる可能性が大いにあります。日本人だからという理由で、英語の拙さが許されることはありません。
さらに、「まともな教育を受けていない人」「自分と同じレベルにない人」とみなされ、対等なビジネスの相手として見てもらえなくなるおそれもあります。
会議についていけなくなる
会議は、ビジネスにおける重要事項を把握し、同時に自分の意見をビジネスに反映させるための重要な場です。赴任先では会議も英語で開催されるため、英語力が足りないと、会議という場を十分に活用できなくなります。
まず、ネイティブスピーカーの話す英語を聞き取る能力がないと、会議で議論されている内容がわかりません。重要事項を理解しないまま業務に取りかかってしまうと、「この人は話を聞いていない」と思われるだけでなく、ビジネスに大きな支障が生じることにもなりかねません。
また、会議では自分の意見に基づく発言も求められます。そこで「せっかく発言したのに聞き返される」ということが続くと、次第に発言すること自体を躊躇するようになり、貝のようになってしまう日本人が少なくありません。
しかし英語圏では、「何も言わない人」は「何も考えていない人」として認識されてしまいます。素晴らしいアイデアを持っているのに、英語力不足のせいでそれが伝えられないのは、あなたにとっても会社にとっても望ましいことではないでしょう。
社内でのコミュニケーションや日常業務に支障が出る
デジタル技術の発展によって、メールやチャットのようなテキストでのやりとりも増えたとはいえ、細かいニュアンスが伝わる「声での会話」は重要なコミュニケーション手段であり続けています。
しかし、スピーキングとリスニングに自信がないと、会話でのコミュニケーションに対して消極的になってしまいがちです。例えば、電話が鳴るたびに恐怖を感じて、メールやチャットばかり多用してしまう、といったケースもあります。
業務をスムーズに進めるためには、場面に応じて適切な手段でコミュニケーションを取る必要があります。英語力が不足しているために「声での会話」という有用なコミュニケーション手段を使えないのは、日々の業務における大きな痛手です。
仕事以外の身の回りのことさえスムーズにこなせない
海外赴任先では、仕事さえこなせればそれで良いというわけにはいきません。仕事以外の時間も含めて、生活のすべてに英語力が必要になるのです。
海外生活で英語力が求められるシーンとして、まず思いあたるのは、買い物や移動、食事といった基本的な場面かもしれません。しかしそれ以外にも、不動産契約などの際にもある程度の英語力は必須です。契約相手と交渉したくても、英語力がないとうまく協議を進められません。また、生活上のトラブルが起こったときにも、英語力がないと迅速な解決が難しくなるでしょう。
このように、現地で安心・安全・快適に暮らすためにも、十分な英語力を身に付けておく必要があります。
同伴する家族が現地の生活に馴染めない
海外赴任にあたり、家族とともに海外に移る人も多いでしょう。家族のメンバー全員が十分な英語力を有し、海外での生活にも慣れていれば良いのですが、そういったケースばかりではないはずです。
急な海外生活は、家族にとっても少なからず負担になります。言葉が通じない環境で新しい生活を始めるのは、簡単なことではありません。時には、配偶者や子どもが現地のコミュニティーのなかで苦労することもあるでしょう。その際、あなた自身が満足に英語を話せないと、家族をサポートすることも難しくなります。
家族のメンバー一人ひとりが現地で充実した生活を送るためにも、あなた自身が十分な英語力を身に付けておくことが求められるのです。
海外赴任前に推奨される一般的な英語学習方法9選
ここまで、海外赴任にあたって必要となる英語力と、英語力不足で起こり得るトラブルについて見てきました。次に問題になるのは、「渡航に備えて、どのように英語力を身に付けるのか?」ということです。
そこで本章では、海外赴任前に一般的に推奨される英語学習方法を挙げて、それぞれの概要や注意点などを解説します。
単語帳でボキャブラリーを強化する
英語に限らず、外国語でうまくコミュニケーションを取るには、最低限の語彙を身に付けておく必要があります。そこで多くの方が、「単語帳でとにかく単語を覚える」という勉強法にたどり着くのですが、ただ単語を暗記すれば良いというわけではありません。
受験勉強と同じように、単語の意味とスペリングだけを暗記するような学習に取り組んでも、実際に使える知識にはなりません。
海外赴任のためのボキャブラリー強化で重要なのは、「音」と「リズム」をしっかり意識することです。スペルを覚えて「自己流で読める」だけでは、会話で使えるようにはなりません。単語帳で学習するときには、発音・シラブル(音節)の数・ストレス(強勢)の場所を意識して、実際に単語を声に出しながら音声情報と一緒に覚えていきましょう。
英語のポッドキャストを聞く
ポッドキャストを聞いて英語の聞き取りに慣れるという学習法もあります。ポッドキャストとは、インターネットで音声を配信する仕組み、またはその番組のことです。
「Apple Podcasts」「Google Podcasts」「Spotify」などのライブラリにアクセスすると、さまざまな番組を無料で聞くことができます。英語の番組を選べば、会話で使われるリアルな英語に触れられるでしょう。さらに、英語字幕やスクリプトを確認できるものであれば、自分が聞き取れないポイントを把握することもできます。
ただし、日本人向けの英語番組ではゆっくりしたわかりやすい英語が話されているケースもあるため、ネイティブスピーカーが自然な英語を話している番組を探す必要があります。
英文の多読を行なう
「読む力」の獲得を目的にするのであれば、英文多読も有効な方法です。ニュースのようなトレンド性のある内容なら、関心を抱きやすく、読み進めやすいでしょう。もちろんニュースだけでなく、関心のある分野のコラム、小説などもリーディングの良い教材になります。
英文多読はリーディングスキルの向上に効果的な方法ですが、スピーキング、リスニングの能力を伸ばすためには、別の方法が必要であることを理解しておきましょう。
瞬間英作文を行なう
口頭で素早く英作文を行なう「瞬間英作文」も、英語の学習法として推奨されることが多い方法です。たしかに、瞬間英作文のトレーニングを行なえば、ある程度の英語ならスムーズに話せるようになるかもしれません。しかし、瞬間英作文には大きなデメリットがあります。それは「日本語から英語への翻訳グセがついてしまうこと」です。
海外赴任の際に目指すべきなのは、「英語で考えたことをそのまま英語で話せる」状態です。しかし、瞬間英作文の訓練では、「日本語で考える→英語で話す」という回路ばかり強化して、「英語で考える→英語で話す」という回路の完成を妨げてしまいます。したがって、海外赴任を控えた方には決しておすすめできる方法ではありません。
シャドーイングをする
シャドーイングとは、英語を聞きながら、それを追うように真似して発音する勉強法です。もともとは同時通訳の訓練法でしたが、近年では英語学習法としてシャドーイングを推奨する英語指導者が増えてきました。
しかし、前提として理解しておきたいのは、シャドーイングは超上級者向けの訓練法であり、本来、英語をかなり話せる人が、最終調整として使うべき方法だということです。
初心者や中級者がシャドーイングに取り組むのは、野球のバットを握ったこともない人が、バリー・ボンズの素振りを見ながらプロ野球選手を目指すようなものです。超上級者でない限りほとんど成果が出ない勉強法であるため、そのレベルに到達していないという方は、別の方法を模索するようにしましょう。
英語学習アプリを利用する
スマートフォンの普及にともない、アプリを利用した学習法もポピュラーになってきました。重くて大きな書籍や筆記用具がなくても、スマートフォンがあればいつでもどこでも取り組めるという手軽さが、アプリ学習の利点です。
英語学習専用のアプリも数多く存在しますが、おすすめなのはApple製品に搭載されているバーチャルアシスタント「Siri」を用いた発音のトレーニングです。Siriの言語を英語に設定して、いろいろと話しかけてみましょう。「自分の英語はどの程度聞き取ってもらえるのか」という観点で非常に参考になるだけではなく、発音トレーニングとしても有益です。
オンライン英会話を利用する
オンライン英会話も、代表的な英語学習方法の一つです。比較的費用が安いケースが多く、学生やビジネスマンにも大変人気があります。
ただし、オンライン英会話は上級者向けの学習方法といえます。英語力の土台が整ったあと、場数をこなし、口から自動的に表現が出てくるように訓練する目的で使うと効果的でしょう。
その反面、初心者が誤った使い方をすると、間違った日本語英語が口をつくようになってしまうおそれもあるので、気を付けたいところです。さらに、講師がネイティブスピーカーでない場合などは、誤った発音やアクセントが身についてしまうこともあり、かえってマイナスになってしまう可能性もあります。
英会話教室に通う
対面で行なう英会話教室も、巷に数多く存在します。こうした教室ではグループで楽しく会話することが多いのですが、「英語に触れられて良かった」「ネイティブと話せて楽しかった」で終わりがちです。長期間に渡って教室に通った割に、英語力はほとんど付かなかった、というケースも少なくありません。
英会話教室のなかには、講師がネイティブスピーカーレベルの英語を話せない教室もあります。英会話教室への通学を検討する場合、「誰に」「何を教わり」「どうなれるのか」を事前にしっかり確認しましょう。
英語コーチングに通う
近年、英語コーチングと呼ばれるサービスが広まってきました。英語コーチングは、生徒の一人ひとりに専属のコーチが付いて、英語学習の方法を提案し、毎日の学習をサポート・管理するサービスです。
「どうやったら英語力が伸びるのかわからない」「自分に合った学習方法が見つからない」「ひとりだと勉強を継続することができない」という方は、英語コーチングの利用を検討しているかもしれません。しかし、コーチングサービスを利用する前に、「そもそもコーチが自分の目指す英語力を持っているかどうか」を必ず確認するようにしてください。
自分自身を伸ばせない人に、他人を伸ばすことはできません。英語コーチングのコーチが、海外赴任に必要とされるレベルの英語力を有しているとは限りませんので、十分に注意しましょう。
【海外赴任前】それでも英語が上達しない……本当の理由は?
この記事を読んでいる方のなかには、前章で取り上げた方法はすでに試したけれど、「なかなか英語力が上がらない……」「自分にはそもそもセンスがないのかもしれない……」とお悩みの方もいるかもしれません。
そこで最後に、従来の方法で英語力が上がらない、おもな理由を6つお伝えします。
数をこなせばそのうちうまくなると思い、適切なトレーニングを受けていないから
学習や会話の量ばかりを重視していると、なかなか英語力は上がりません。
たしかに、語学の力を付けるにあたって、ある程度「数をこなす」ことは必須です。語学力は、一朝一夕では身に付きません。
しかし、量と同じくらい、またはそれ以上に、質を重視することが重要です。どんなにポテンシャルのあるアスリートも、適切な方法でトレーニングを進めなければ力を伸ばすことはできません。それどころか、怪我をして将来の道が閉ざされてしまうことすらあるのです。
英語学習もスポーツと同じです。いくらやっても力が付かない場合、トレーニングの方法自体が間違っていると考えるべきでしょう。
下手でもいいと開き直っている、または諦めているから
英語を学ぶうえでのマインドセットに問題があるケースも少なくありません。「日本人はもともと英語が苦手だから」「そもそも英語が母国語ではないから」と、心のどこかで上達を諦めていませんか。
先述のとおり、世界には、英語が母語ではなくとも十分な英語力を身に付けている人がたくさんいます。しかしその人たちも、特殊な能力を持った人というわけではありません。適切な方法でトレーニングを重ねた結果、英語を使いこなせるようになった、というだけのことです。
「自分にはできない」「別に下手でもいい」と諦めるのは、非常にもったいないです。トレーニング次第であなたも必ず、ネイティブスピーカーと対等に話せるレベルの英語を身に付けることができます。
適切な発声法を学んでいないから
実は、英語力は土台となる根本的なスキルの上に成り立っています。まず土台をしっかり作らなければ、どのようなトレーニングも非効率で、時間・労力を浪費するのみに終わってしまいます。
その根本的なスキルの一つが、「発声」のスキルです。英語と日本語では、発音以前の「声の出し方」に違いがあることを知っていますか。
日本語を話すときに使われるのは、おもに鼻や口先ですが、英語を話すときには、喉や胸を振るわせて発生する必要があります。英語の話し方を習得するには、まず英語の発声法を身に付けることが不可欠なのです。
音の違いを理解していないから
「英語と日本語では音が違う」という事実は、多くの人が知っているでしょう。しかし、その違いはあなたが思っている以上に大きいかもしれません。
アルファベットには、一つひとつに固有の「音」があり、その音の違いを認識しない限り、正確に英語を聞き取ったり、話したりすることはできません。まずは、英語と日本語の音の違いを深く理解したうえで、その知識に基づく「英語の音」の習得を目的とした訓練を積み重ねることが必要です。
音の違いを理解できれば、話すスキルはもちろん、聞くスキルも格段に向上するでしょう。
英語特有のリズムを習得していないから
「英語のリズム」も、英語力の基礎を成すものです。欧米人と日本人とで「手拍子」の仕方が異なるという話を聞いたことがある方もいるでしょう。それと同じで、言葉を話すうえでも、英語と日本語ではそもそものリズムがまったく異なります。
日本語のリズム感に慣れて育ってきた日本人は、英語を話すときにもつい日本語のリズムを使ってしまいます。しかし、英語のリズムには、「強調したいこと」や「話の要点」を伝える、という重要な役割があります。つまり、リズムがおかしいだけで「相手にまったく伝わらない英語」になってしまい、聞き手はやがて聞くこと自体をやめてしまうのです。
英語思考ができておらず、日本語を翻訳してしまっているから
最後のチェックポイントは、「英語思考」ができているかどうか、という点です。
瞬間英作文の注意点としても述べましたが、日本語で考えたことを頭のなかで英語に翻訳して英語を話す、というプロセスを挟んでいる限り、世界で通用するレベルの英語を話せるようにはなりません。
英語力の向上には、「言語になる前のイメージを直接英語にする」という思考回路を開拓する訓練が必要です。英語学習に行き詰まりを感じている方は、こうした訓練ができているかどうか、自身の勉強方法を振り返ってみてください。
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海外赴任に求められる英語力は、資格の有無や試験の点数では測れません。赴任先で必要となるのは、ネイティブスピーカーや一定の英語力を有するノンネイティブたちと対等に会話ができる能力です。
海外赴任で必要となる真の英語力を効率的に身に付けるために不可欠なのは、「発声法」「音」「リズム」「英語思考」といった、英語スキルの根本を最初に習得することです。GSETのレッスンなら、ネイティブ講師のもと、これらのスキルを頭ではなく身体で覚えることができます。
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