英会話スキルを身につけたいと思ったとき、巷にあふれる英会話スクールに通う方も多くいます。一方で、「通学は時間的に余裕がない……」「自分のペースでじっくりと学習に取り組みたい……」といった理由で、独学を検討する方も少なくないでしょう。

そこで今回の記事では、独学におすすめの英語勉強法に加えて、独学で英会話学習を進めるうえでのポイントを紹介します。これから英会話学習をスタートさせる方も、独学での英会話学習に行き詰まりを感じている方も、ぜひ参考にしてください。

英会話は独学でマスターできる?

英会話の独学を始める前に知っておきたいのが、英会話学習には「独学に適していること」と「独学に適していないこと」があるという点です。

英会話は「会話」なので、一人で学ぶのは無理なのではないかと不安になる方もいるかもしれません。しかし、英語に必要なスキルのなかには、一人でも習得しやすいものもあります。必ずしも、すべての部分をスクールなどで学ぶ必要はありません。

ただし、英話学習にはやはり一人では身につけにくい分野もあります。そうした分野で独学に挑むと、なかなか成果が得られず挫折してしまう方も多いでしょう。

独学で効果的に英会話スキルを身につけるには、「独学に適していること」にフォーカスすることが大切です。それとともに、適宜他者の力を借りながら「独学に適していないこと」の学習を進めましょう。

【英会話】独学に適しているのは「知識型学習」

英会話の独学でフォーカスすべきなのは、知識を蓄積するタイプの学習です。ここでは、知識蓄積タイプの学習を「単語」「文法」の2分野に分けて、独学のポイントを解説します。

単語

単語のインプットは、言いたいことを的確に表現するために必要不可欠です。

とはいえ、初めから難しい単語を覚える必要はありません。まずは中学レベルの単語帳を使って、利用頻度が高い基本的な単語を押さえてください。実際、ネイティブスピーカーは日常的にシンプルな単語を好んで使います。

なお、単語学習で何より重要なのは、「スペリング」と「意味」だけでなく、「音」と「シラブル・音節」も必ずセットで覚えることです。ネイティブによる音声データが付いた単語帳を用いるなど、音をしっかりインプットできるように工夫しましょう。

文法

伝えたいことを正確に表現するには、文法の学習も役立ちます。

しかし、参考書を頭から順に読み進めていくことはおすすめしません。文法を網羅的に学ぶこと自体が目的化してしまい、知識を実践に活かしづらくなってしまうからです。これは、文法学習を重視する日本の英語教育を受けても英語を話せるようにはならない、ということからもわかるはずです。

英会話のスキルとして文法を学ぶ目的は、あくまでも自分の考えを正しく相手に伝えることです。独学する場合も、「こういうことを伝えたい」という具体的な目標に向かって、「それを伝えるためにはどのような文法を使えば良いのか?」という視点から学習を進めていくことが重要です。

【英会話】独学に向かないのは「スキル型学習」

ここまで、独学に向いた知識型学習として「単語」「文法」の2分野を紹介してきましたが、もちろんそれら2つのスキルだけで英会話ができるわけではありません。会話には、「発音」「リズム」「リスニング」などのスキルも必要です。

しかし、スキル型の学習は独学には向いていません。スキル型学習は、的確なフィードバックをしてくれるネイティブスピーカーの助けを借りながら向上させていく必要があります。

本章では、なぜこれらの分野が独学に向かないのか、どういった学習方法が理想的なのかを解説します。

発音練習

「発音の練習なら一人でもできるのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、発音の独学には大きなリスクがあります。自分なりの発音で繰り返し練習することで、間違った発音が身体に定着してしまい、何も練習しない場合よりも修正が難しくなるおそれがあるのです。

例えば、日本語ネイティブのいない環境に生まれた赤ちゃんが、たった一人で自然な日本語の発音を身につけるのは難しいと思いませんか?大人が英語を学ぶ場合も同じです。
ネイティブスピーカーのフィードバックを受けながら繰り返し練習してこそ、自然な発音ができるようになるのです。

ここまで解説してきたように、発音、リズムなどのアウトプットの分野に関しては、ネイティブスピーカーによるフィードバックが必須です。

多忙な方が最短で英会話スキルを習得するには、知識型の学習を独学で進めつつ、ネイティブスピーカーの指導を受けてスキル型の学習を並行して行なうのが最もおすすめといえるでしょう。

リズム

英語に限らず言語には、それぞれ固有のリズムがあります。例えば、日本語は比較的平坦なリズムで話される言語ですが、英語では抑揚をつけて喋る、つまり、各フレーズにおいて最も伝えたいキーワードを最も長く発音し「ストレス」をかけるという特徴があります。

どの言葉にどれくらいストレスをかけるべきか、その際の喋るスピードやトーンをどう調整すれば良いか等も、ネイティブスピーカーから都度フィードバックを受けながら感覚をつかんでいく必要があります。

英語では「自分の想いや話の要点を正確に伝えること」と、この「英語のリズム感」が密接につながっています。したがって、リズム感が身についていなければ、スムーズに要点を伝えるスピーキングスキルは身についていきません。

リスニング

リスニングスキルも独学で伸ばすことは非常に困難です。なぜなら、人間は自分が発せられる音やリズムしか聞き取れないためです。

上記で紹介した「発音練習」や「リズム練習」を通じ、自身が正しく発せられる英語の範囲を広げることで、聞き取れる英語の範囲も徐々に広がっていきます。逆に、最初から何時間もシャドーイング等のリスニングトレーニングに取り組むことはおすすめしません。

音については、どのように発音されるのかを一つひとつ確かめ、発音練習を繰り返し行ない口に馴染ませていくことで、単語を聞き取りやすくなります。

参考記事:
【音声付き】英語の発音を練習する際のポイントと短期間で発音を良くするコツ 【音声付き】英語の発音記号一覧|英語の「音」に挑戦してみよう! 【音声付き】英語力を高める4つの発音ルールと併せて習得したい基礎スキル

リズムの面でも、自身の英語のリズム感を向上させたうえでネイティブの音声を聞くと、ストレスをかけている重要箇所がわかり、話の内容をよりスムーズに理解できるようになるでしょう。

【英会話】独学できるおすすめの勉強方法

続いて、独学に向いた「知識型学習」の具体的な方法をいくつか紹介します。

中学レベルの文法を実践的に学ぶ

記事の途中でも述べましたが、実践を意識した文法学習もおすすめです。受験勉強のように、体系立てて最初から最後まで文法を学ぶのではなく、あくまでも自分が言いたいことを表現するために文法を学習します。

文法を学習する際は、文法書を一冊用意しましょう。内容は中学レベルで構いません。
ポイントは、その文法書を辞書のように使うことです。「自分が言いたいこと」を表現するための文法を、その都度調べてみましょう。

「これを言いたい」という気持ちを叶えるための自発的な学習をすると、知識も定着しやすくなります。

海外ドラマや洋画を英語字幕で観る

次におすすめしたいのが、海外ドラマや洋画を英語字幕付き・英語音声で観るという方法です。

ドラマや映画で学習しようと思ったとき、最初から字幕をOFFにして、英語音声のみで内容を把握しようとする方もいるかもしれません。しかし、初めのうちは英語字幕をONにしたうえで英語音声を聞くほうが効果的です。

英語音声・英語字幕ありでドラマや映画を観ると、自分がつまずいているポイントが明確になります。「音が聞き取れない」「そもそも単語を知らない」「文法がわからず意味を理解できない」など、強化すべき自分の弱点をあぶり出すことができます。

また、楽しみながら学習できるのもこの方法のメリットでしょう。これから英会話学習を始める場合はもちろん、モチベーションの維持が難しくなってきた方もぜひ試してみてください。

英語のニュース、ラジオ、YouTubeなどを聴く

リスニングの勉強として、英語で放送されるニュースやラジオを聴いたり、YouTube動画を観たりするのも効果的です。

この方法では、ネイティブスピーカーによるナチュラルな英語の音や響き、リズム、アクセントに触れることができます。毎日の通勤時間に英語ニュースを聴くなどして、ネイティブスピーカーの英語に耳を慣らす習慣を日々の生活に組み込めると理想的です。

多少の事前知識のある分野のラジオやニュースを聴けば、「こういう場面はこの表現を使うのか!」といった発見もあるでしょう。つまりこの学習法は、自然な英語表現のインプットにもつながります。

独学で英会話をマスターする3つのコツ

最後に、独学で英会話スキルを上げたい方に向けて、3つのコツを紹介します。これからの学習の指針として、また行き詰まっている場合には方針の見直しに、ぜひ活用してください。

まず自分が目指すべきゴールを決める

英語学習に限らずどのような学習でも、ゴールを明確に決めることが大切です。

目指すべき場所を常に把握しておくことで、そこまでの最短ルートが見えてきます。逆に、どこがゴールなのかをしっかり把握できていない場合、自分のやるべきことがわかりません。また、現在の自分と目指すべきゴールとの距離も測れないため、焦りばかりが募るでしょう。

ポイントは、具体的かつ努力すれば手の届くゴールを設定することです。
例えば、「英語がペラペラになる」では抽象的な目標で、何をもって達成とするか不明瞭なため、ゴールとして適していません。しかし、「海外出張のときに通訳なしでコミュニケーションが取れるようになる」という具体的な目標であれば、達成のイメージもしやすいでしょう。

受験用の英語学習とは分けて考える

「英語学習」という言葉を聞くと、受験勉強のような学び方をイメージする方も少なくないでしょう。しかし、英会話スキルの向上を目指すなら、受験とは異なる勉強法を取り入れる必要があります。

もちろん、受験用の勉強が完全に無駄だというわけではありません。受験勉強で身につけた語彙や文法の知識は、少なからず役立つでしょう。しかし、受験用の学習だけでは英会話スキルは向上しにくいものです。

例えば、文法の学び方一つ取っても、受験勉強とは異なる視点が必要です。受験勉強と英語学習は別物と捉え、目指すべきゴールや学習の動機を上手に切り替えることが、英会話を効率的にマスターするためのポイントです。

短時間でも必ず毎日学習する

子どもが母語を学ぶときと同様に、大人が母語以外の言語を話せるようになるためには、「身体で覚えること」が大切です。野球選手が素振りを繰り返すように、毎日コツコツと学習を積み重ねていきましょう。毎日継続することが最重要なので、一日あたりの学習時間は短くても構いません。

ただし、発音練習の箇所で説明したように、間違った発音のまま学習を続けると、誤った発音の癖がついてしまいます。繰り返しになりますが、発音のようなアウトプット分野については、ネイティブスピーカーのフィードバックを受けられる環境で学習することを強くおすすめします。

英会話の独学に行き詰まったら、学習法を見直しましょう

英会話に必要なスキルには、独学で習得しやすいものとそうでないものがあります。具体的には、単語、文法のような知識型の学習は独学しやすく、発音、リズム、リスニング練習は独学が難しいといえます。

すべてのスキルをスクールで学ぶ時間がない、マイペースに取り組みたいなどの場合には、以下の2点を並行して進めることがおすすめです。

  • 独学で「知識型学習」に取り組む
  • ネイティブスピーカーとともに「スキル型学習」を進める

まずは、自分が目指すゴールを明確に定めるところから始めて、毎日コツコツ学習を継続しましょう。

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