英会話を実践するなかで、「相手が何を言っているのか聞き取れなかったが、雰囲気で返事をしてなんとかごまかした……」という経験をしたことがある方は非常に多いはずです。

正確なコミュニケーションのためには、話す力だけでなく聞く力も必要です。しかし、忙しい日々のなかで、効率的にリスニングスキルを身につける方法はあるのでしょうか?また、頻繁にスクールに通う余裕がなくても、リスニングスキルを向上させることは可能なのでしょうか?

これらの疑問に対する答えは、どちらも「Yes」です。
本記事では、最も効率的にリスニングスキルを身につけるポイントや効果的な学習方法を詳しく解説します。

【英会話】リスニングスキルは鍛えられる!

結論からいうと、リスニングスキルは誰でも向上させられます。

リスニングをたくさん行ない、正しい音やリズムの知識をストックすることは、英会話上達のために非常に重要なことです。忙しくてスクールに通う余裕がなくても、毎日少しずつリスニングの勉強を続ければ、徐々に聞く力が身についてきます。

ただし、英語の正しい音やリズムの基本をあらかじめ知っておかないと、遠回りで、勉強の効率はなかなか上がりません。効率的にリスニングスキルを身につけたい方は、以降で紹介する英語学習のポイントをしっかりと理解しておきましょう。

【英会話】リスニング力を高めるために、鍛えるべき3つの英語スキル

リスニングの勉強を効率的に進めるために、まずは「音」「リズム」「英語思考」という3つの要素について知っておきましょう。

リスニング能力を高めるために、まず知っておきたいのが英語の「音」の仕組みです。英語を構成するアルファベットは、それぞれ固有の音を持っています。そしてそれらの音のなかには、日本語に存在しない音も多く存在します。

日本語の母音は「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」の5種類しかありませんが、英語にはもっと多くの母音があります。例えば、日本語の「ア」に似ている音だけでも、4種類もの音があります。これら4つとも知っていなければ、すべて「ア」として聞き取ってしまい、正確な単語の意味を掴むことができません。

逆にいえば、英語の音について知識を蓄えておくことで、リスニングのハードルは一気に下がります。

リズム

英語と日本語のリズムにも、大きな違いがあります。日本語は比較的平坦な言語ですが、英語は抑揚を付けて話して初めて正確な意味が伝わる言語です。例えば、英語話者は、特に強く話すポイントである「ストレス(強勢)」を文のなかに設けることで、話の要点を伝えます。

また、英語のリズムのルールとしてぜひ覚えたいのが、「シラブル(音節)」です。のちほどもう少し詳しく説明しますが、シラブルは簡単にいえば「1つの音に感じられる単位」のことです。日本語では原則として1シラブルに1文字が対応しますが、英語では1シラブルにより多くの文字が含まれます。
例えば、「scratch」という語には1シラブルしかありません。つまりネイティブスピーカーは「scratch」を1つの音のように捉えて発音するのです。

こういった仕組みを理解すれば、「ネイティブスピーカーの英語は早口に聞こえる」「何を言っているのかまったく聞き取れない」というよくある悩みも解消できるでしょう。

英語思考

リスニングをするとき、あなたは以下のような手順を踏んでいませんか?

  1. 英語の音声を聞く
  2. 頭のなかで英文を思い浮かべる
  3. 英文を日本語に訳す
  4. 日本語で考えて、内容を理解する

時間があれば、上記のような手順でも問題ないかもしれませんが、実際の会話でこれほど多くのプロセスを踏む余裕はありません。

そういった点を考慮すると、理想的なリスニングの手順は以下のとおりです。

  1. 英語の音声を聞く
  2. 英語のまま内容を理解する

途中で日本語に訳す過程を挟まないことが、英語でスムーズにコミュニケーションを取るためのポイントです。聞いた英語を「文字」に変換するのではなく、「状況」や「概念」として、情景をイメージする癖をつけましょう。

【英会話】リスニングの勉強法(1)発音記号で英語の音を習得する

リスニング力を鍛えるうえで重要な3つのポイントを押さえたら、いよいよ具体的な勉強を始めていきましょう。

先ほども説明したとおり、英語の音と日本語の音には大きな違いがあります。そして、英語の音について学ぶときに役立つのが「発音記号」です。

発音記号とは、英語をはじめとする言語の音を表記するために編み出された記号です。発音記号の読み方をマスターすれば、英語を構成するアルファベット一つひとつの音を、きちんと区別できるようになります。

「リスニングスキルを上げるために、なぜ発音記号を学ぶ必要があるのか?」
「発音記号は、スピーキングのためにあるのでは?」

と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、私たちは基本的に、自分がすでに発音できる音しか聞き取れません。知らない発音があれば、すべてノイズに聞こえてしまうのです。

「l」と「r」の発音の違いを理解しておくことで、「light」と「right」を聞き分けられます。同様に、「hat」と「hot」を聞き分けるためには、発音記号「æ」と「ɑ」の違いを知っておく必要があるでしょう。

そのため、単語を調べたり、覚えたりするときには、必ず発音記号もチェックしてください。そして、可能な限りネイティブスピーカーから正しい発音の仕方を指導してもらいながら、正しい音声も一緒にインプットしましょう。

参考記事:【音声付き】英語の発音記号一覧|英語の「音」に挑戦してみよう!

【英会話】リスニングの勉強法(2)リズムを意識して音声を聞く

英語の音声を聞いていて、「とにかく意味をつかまなければ」と一語一句を追ってしまい、「結局全体として何が伝えたかったのか、よくわからなかった……」という失敗をしたことはありませんか?

そのような事態を防ぐために重要なのが、リズムへの意識です。先述のとおり、「シラブル(音節)」と「ストレス(強勢)」を意識しながら聞くのが、英語リスニングのポイントです。

シラブル

シラブルは、1つの音として発音される単位です。英語は1シラブルに複数の文字が入ることが多く、それが英語特有のリズムを生み出します。

英語と日本語のシラブルの違いについて、例を挙げてみましょう。
日本語の「愛」は、「ア・イ」というように2つのシラブルに分かれます。では、英語の「I」はどうでしょうか?一見、「I」も「ア・イ」になりそうですが、そうではありません。「I」は、「アイ」で1シラブルなのです。

他にもいくつか、英語におけるシラブルの例を見てみましょう。以下、「・」で区切られたかたまり1つが1シラブルです。

スペル シラブルの区切り シラブルの数
English En・glish 2つ
think think 1つ
Appointment ap・point・ment 3つ

リスニングの際にも、「どの範囲を1音としてしゃべっているか」を意識しながら聞いてみてください。こちらに関しても、ネイティブの喋り方を直接聞きながら真似をして、可能な限りフィードバックをもらえると効率よく上達していきます。

ストレス

英語では、会話のなかで最も重要な単語を長く伸ばして発音します。これが「ストレス」です。

重要な箇所にストレスをかけることで、英語話者は自分が話す文章の趣旨を伝えます。伸ばされた重要な部分だけを拾うことで、相手の伝えたい内容を要約できるイメージです。

リスニングの勉強をするときには、一語一句をすべて拾おうとする聞き方から、ストレスを意識する聞き方に変えてみてください。そうすることで、話の大枠がつかみやすくなります。そうして大きなテーマを先に把握できれば、細かい部分を聞き取る余裕も生まれてきます。

ぜひ、ネイティブが喋っているフレーズを、ストレスの長さまで意識しながら真似をしてみてください。

【英会話】リスニングの勉強法(3)なじみのある分野の音声で英語思考を鍛える

自分の頭のなかに「英語思考」の仕組みを構築していくことも、リスニング能力の向上には欠かせません。英語の音声を聞くたびに日本語訳を挟む癖があると、即座に意味を理解できず、会話がスムーズに進まなくなってしまいます。

英語思考は、英語の音声と概念を直接結びつける回路ともいえます。日本語に変換する前に、より正確にいえば文字に変換する前に、英語の音声を文字以外のイメージや状況に直結させる訓練をしましょう。

まずは、なじみのある分野の英文から成る音声で練習を始めます。
例えば、日本語で「あなたは~~ですか?」と聞くときに、手のひらを上向きにして相手のほうに差し出すような仕草をすることがあります。この仕草をしながら「Are you ~~?」というフレーズを繰り返し、相手に何かをたずねる状況と英語のフレーズを直結させる、という具合です。

この訓練を積み重ねることで、余計な思考を挟まず、耳から入ってくる英語をスムーズに理解できるようになります。

【英会話】リスニングの勉強法(4)ポッドキャストや洋画で弱点を知る

海外ドラマや洋画を英語字幕付き・英語音声で鑑賞したり、スクリプトを見ながら英語のポッドキャストを聴いたりするのも、効果的なリスニングの勉強方法です。

この方法で、自分が聞き取れない理由が単語なのか、文法なのか、はたまた音自体なのか、自分のリスニングの弱点を把握しましょう。

ドラマや英語を視聴するなら、英語字幕に対応しているNetflixやHuluが便利です。

自分の気になる作品や番組を探して、ぜひ字幕やスクリプトを見ながらリスニングの訓練をしてみてください。

【英会話】リスニングを勉強する際の5つのコツ

最後に、リスニングを学ぶうえでのコツを5つ紹介します。

どこが聞けないのか現状の能力を見極める

がむしゃらに努力するのではなく、自分にとっての弱点を見極めて集中的に対策することが、効率的にリスニングスキルを向上させるコツです。

まずは、「自分がなぜ聞き取れないのか」「どこでつまずいているのか」を明らかにしましょう。単に語彙が足りない場合は単語学習が必要ですが、すでに知っているはずの単語が聞き取れない場合は、音に関する知識の蓄積が最優先課題となります。

先ほどお伝えした、ポッドキャストや洋画による学習などで、弱みをあぶり出しましょう。そして、その弱みを克服する勉強を継続してみてください。

日本語訳せず、聞こえてくる音声を概念と結びつける癖をつける

繰り返しになりますが、リスニングスキル向上には「英語思考」が必要です。英語の音声を聞くときには、どんなときでも「音声→概念」の直結ルートを強く意識しましょう。

最初はつい日本語に訳してしまいそうになりますが、その癖をなんとか抑えて、新しい思考回路を開拓してください。繰り返し意識するうちに、英語思考のルートが太くなっていきます。

毎日の勉強を習慣化する

「英語を聞く」というのは、身体的な行為であり、一朝一夕に身につくものではありません。その代わり、正しい方法で毎日勉強を続けていれば、聞く力が着実に向上します。筋トレで少しずつ筋肉が大きくなるのとまったく同じです。

即効性を期待して長時間まとめて学習するより、一日あたりの時間は少しずつでも構わないので毎日学習するほうが効果的です。リスニング学習を習慣化して、毎日の生活に組み込みましょう。

自分が興味のある分野の音声・教材から取り組む

英語に限らず、楽しみながら取り組むほど、学習効果の向上が期待できます。したがって、効率的にリスニングスキルを獲得したいなら、自分が興味を持てる分野の音声や教材を用いて勉強を進めるのがよいでしょう。

映画・ドラマ・ポッドキャストなど、さまざまなものを活用して、楽しみながら勉強できそうな教材を探してみてください。

聞き流しは効果が薄いため、腰を据えて学習に取り組む

リスニングの学習方法として「聞き流し学習」を検討している方もいるかもしれません。

聞き流し学習にまったく効果がないわけではありませんが、他の学習方法と比べると効果は薄いです。聞き流しているだけで、英語のリスニングをマスターすることは困難でしょう。

よほどの上級者でない限り、聞き流しは他の学習方法の補助として用いる程度に留めましょう。集中して音声を聞く方法を、リスニング学習の基本としてください。

【英会話】リスニング力向上のカギは、必要なスキル(音、リズム、英語思考)を身体に覚えこませること!

リスニングスキルは、英語の音やリズム、英語思考を身体に覚えこませることで向上させられます。

勉強を進めるなかで発音記号などの知識を蓄積し、音声を聞く際にはシラブルやストレスなどのリズムを意識しましょう。それと同時に、英語の音声を概念と直結させる訓練も進めます。

興味を持てる分野の教材を使って、主体的に学ぶことも上達のコツです。記事で取り上げた勉強方法もぜひ取り入れて、楽しみながら効率的にリスニングの勉強を進めてください。

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