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英語思考を自動化する4つのポイントとは?日本語との思考の差異も解説
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英語を学ぶなかで「英語で話すだけではなく、思考も英語で行なうことが大切だ」という考え方に出会ったことがある方も多いかもしれません。
英語の思考方法を身に付け、自然に使えるようになることは、英語でスムーズなコミュニケーションを取るために必須のプロセスといえます。英語思考が自動化できれば、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングのすべてに役立ち、学習そのものの効率化にもつながるでしょう。
そこで今回の記事では、英語思考と日本語思考の違いを解説したうえで、英語思考を自動化するためのポイントを紹介します。
記事の目次
英語と日本語では、思考の方法が大きく異なる
英語と日本語の語順が異なることからもわかるように、英語を母国語とする方と日本語を母国語とする方では、思考の方法が根本的に異なります。思考法の違いは、各言語圏の文化の違いだけでなく、言語の構造の違いからも生じているのです。
英語と日本語の思考法の違いを理解し、上手に使い分けることができなければ、スムーズに英語を使いこなすことはほぼ不可能といえるでしょう。逆にいえば、両者の思考法の違いを理解すると、英語学習はぐんと効率的になるということです。
さっそく、英語と日本語それぞれの思考法の特徴を見ていきましょう。
英語思考の特徴
英語の語順は、「SVO(主語+動詞+目的語)」が基本です。人間は、物事を考えるときにも言語を使っているので、英語話者の思考も「SVO(主語+動詞+目的語)」の順番で行なわれるのが普通です。
つまり英語の思考法には、最初に「誰が(何が)、どうする」という結論を考えたうえで、そのあとに細かい補足情報を添えるという特徴があります。
例えば、以下の英文を英語思考の順序どおりに日本語に訳すと、次のようになります。
・I really like the pen given to me by my sister.
私はとても気に入っている、そのペンを、それは姉からの贈り物だ。
「私は気に入っている」という結論が最初に来て、「気に入っているのはペンだということ」や「そのペンは姉からの贈り物だということ」は、あとから補足されていることがわかります。
日本語思考の特徴
一方、日本語の思考はどのように行われるのかを、日本語の語順から考えてみましょう。日本語では、「SOV(主語+目的語+動詞)」という語順で文章が構成されます。「誰/何が」から文章が始まるのは英語と同じですが、「どうする」という部分、つまり情報の核となる結論は最後に置かれます。これが日本語の特徴です。
「英語思考の特徴」と同じ意味の文章を、日本語の語順どおり記すと以下のようになります。
・私は、姉から贈られたそのペンをとても気に入っている。
日本語の場合、ペンに関する補足情報が先に述べられ、それを気に入っているのか気に入っていないのかという重要な情報、つまり結論は、文の最後までわかりません。こうした特徴を持つ日本語は、文の最初のほうで結論がわかる英語とは対照的だといえます。
このように、語順が異なる言語を話す日本語話者と英語話者とでは、頭のなかの思考の流れも大きく異なるといえるのです。
英語思考を自動化する4つのポイント
ここまでの解説で、英語思考と日本語思考は根本的に異なるものである、ということが理解できたと思います。ただ、「両者の違いはわかるけれど、ついつい日本語で考えてしまう……」とお悩みの方も多いかもしれません。
理想的なのは、英語を使おうとすると自動的に英語思考が働く状態です。そこで、脳内の思考回路を変え、英語思考を自動化するためのポイントを紹介します。
これらの方法は、リーディングやライティングはもちろん、リスニングやスピーキングにも大いに役立つため、積極的に取り入れてみてください。
「返り読み」は禁止
英文を目にしたとき、多くの日本人がやりがちなのが「返り読み」です。「返り読み」とは、日本語の語順で意味を理解するために、英文を行ったり来たりして日本語に訳すことです。
先ほどの例では、以下の番号の順番で意味を考えてしまうのが、典型的な「返り読み」といえます。
・I(1)really(6) like(7) the pen(5) given to me(4) by(3) my sister(2).
たしかに、この番号の順番に進めば「私は、姉から贈られたそのペンをとても気に入っている」という、日本語の語順どおりの文章ができあがります。しかし、このような読み方をしていると、視線も思考も忙しくなり、かなりのタイムロスになってしまいます。返り読みが習慣になっていると、英語の語順に沿った思考法をいつまで経っても身に付けられません。
この返り読み的な思考で英文を理解しようとすると、ライティング、リスニング、スピーキングもスムーズにできないでしょう。
実践的な英語力を身に付けたいなら、「返り読み」はNGだと心得ておくことが大切です。英語の語順のとおり、前から順番に意味を取っていくことを基本としてください。
英語を「意味のかたまり」ごとに理解する
英語を理解する際には「返り読み」ではなく、英語の語順に素直にしたがって読むのが大切だと説明しました。
ただし、前から一つひとつ単語を拾いながら意味を理解しようとすると、それはそれで時間がかかります。単語単位で理解しようとすると、イディオムの把握ができないこともあるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、意味のかたまりごとにまとめて理解していく方法です。
・I’m going to go shopping to buy a new bag tomorrow.
この例文であれば、次のように4つのかたまりに分けて、前にあるかたまりから順番に理解していくとスムーズです。
「I’m going to(私はするつもりだ)」「go shopping(買い物を)」「to buy a new bag(新しいバッグを買うために)」「tomorrow(明日)」
これを英語の語順どおりの文章にすると、「私はするつもりだ、買い物を、新しいバッグを買うために、明日」となります。
文頭の「I’m going to(私はするつもりだ)」の時点で、話者/筆者がこれから何かをするつもりだとわかり、次の「go shopping(買い物を)」でそれが買い物だと理解できます。文頭で重要な情報をつかめたら、あとは補足情報を把握できれば大丈夫です。
このように、英語の語順に沿って強弱を付けながら意味をつかむことで、内容をより理解しやすくなります。ぜひ試してみてください。
英語から直接「情景」をイメージする
英語思考を自動化するためには、「いったん日本語で考えるクセ」を必ず取り除かなければいけません。ただ、「日本語に訳すのをやめよう」という否定ではなく、「◯◯しよう」という肯定的なマインドで目標達成を目指すことがポイントです。
英語を聞いたり読んだりしたとき、日本語に訳さず、そのまま情景をイメージするクセをつけましょう。例えば、「There is a dog.」と聞いたら、「そこに犬がいる」といった日本語をあいだに挟むことなく、犬が目の前にいる情景そのものをイメージしようと強く意識してみてください。
状況によっては実際に指を指す、ジェスチャーをするなど、動きを加えるとより記憶しやすいかもしれません。
英語から直接情景や概念をイメージするには、「there」や「dog」といった単語に慣れるとともに、「There is~.」という文法の型も、頭、耳、口で覚えることが重要です。
これらの基本的な単語や文法は必ず押さえておき、即座に理解できる思考回路にまで落とし込めるとよいでしょう。むしろ、このように具体的なイメージをできるようになるために、単語や文法を学ぶと考えたほうが良いかもしれません。
英語の音を習得する
英語は、使われる音のバリエーションが日本語よりも圧倒的に多い言語です。例えば、日本語の「ア」に近い音だけで、英語には4種類の音が存在します。
耳から入ってきた英語をそのまま正しく理解するには、英語で使われるたくさんの音の違いを聞き分けられなければなりません。この部分は日本人にとって弱点になりがちです。日本語の耳のままで英語を聞き取ろうとするために、うまく英語思考にならないケースも見られます。
英語で使われる母音や子音を一つひとつ習得し、自分でも発することができるようになると、英語を英語のまま理解するのに役立ちます。以下の記事も参考にして、ぜひ音のマスターを目指してください。
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英語思考を自動化するには、日々のトレーニングが最重要
英語に触れる際に、自動的に「英語モード」で思考できるようになれば、リーディングやライティングはもちろん、リスニングやスピーキングのスキルも大きく向上します。
そのためには、「返り読み」をやめて、意味のかたまりごとに内容を把握し、英語から直接情景をイメージするように心がけてみてください。それと同時に、日本語の音とは大きく異なる英語の音を習得することも大切です。
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