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グローバル化が進み、英語でコミュニケーションを取る機会も増えた昨今では、多くの方が英会話スキルの獲得・向上を目指しています。しかし、「思いどおりに会話力が上達している!」と自信を持って言える方は、それほど多くないかもしれません。

そこで今回の記事では、英会話を上達させて、よりスムーズなコミュニケーションを楽しむためのコツを解説します。英会話学習に行き詰まりを感じている、効率的な学習方法を探しているという方は、この記事を読んでぜひ上達のヒントを見つけてください。

【英会話のコツ】まず捨てるべき4つの思い込み

英会話上達のコツをお話しする前に、まずは多くの日本人が持っている思い込みについて紹介します。これらの思い込みによって、英会話の上達が阻害されているケースは少なくないため、ぜひチェックしてみてください。

話す「内容」が最重要、「英語の質」は二の次である

「何を話しているかが重要だから、話し方はそれほど重視しなくても良い」と考えていませんか?英語が苦手な日本人が口にしがちな言い訳ですが、これは大間違いです。

実際には、聞き手は話の内容だけでなく、話し手の英語の質にも大いに注目しています。特にビジネスシーンでは、英語の質が劣っていると、発言内容そのものの信頼度を下げてしまうおそれがあります。

同様のシーンを日本語に置き換えて考えてみると、想像しやすいかもしれません。カタコトの日本語で話されると、「話の内容自体がなんとなく疑わしく感じられる……」というケースも少なくないはずです。

また、あまりにもアクセント(母国語訛り)が強すぎると、そもそも何を話しているのか理解すらしてもらえないでしょう。

慣れることで、英語は話せるようになる

「とにかくたくさん英語を聞いたり話したりすれば、慣れて次第に上達する」というのも、よくある勘違いです。実際に、「とりあえず海外に行ってしまえば、いつか話せるようになる」という言葉を信じて海外に飛び出したものの、何年経っても一向に英語が上達しない、という事例は非常に多いものです。

長年日本語に慣れ親しみ、日本語のスキルを磨いてきた大人が、「慣れ」だけで英語を話せるようになるのは極めて難しいと考えてください。

なぜなら、日本語を話す・聞くために必要なスキルは、英語を話す・聞くために必要なスキルと言語学的に大きく異なるためです。

正しい英語を話すには、英語専用のスキルを習得する必要があります。ただ場数を踏むだけでは、どのようなスキルが必要なのか理解するのも困難なのが現実です。日本語のスキルを土台に英語の場数をこなしても、上達はほぼできないと考えてください。

英語圏で生まれていないので、今更無理

上の2つは「ポジティブすぎる思い込み」でしたが、逆にあまりにネガティブな思い込みを持っている方もいます。それは、「ネイティブスピーカーじゃない自分が今さら努力しても、正しい英語が話せるようにはならない。あきらめが肝心。」というものです。

この考えもまた、間違っています。たしかに、日本語を母語として育った場合、どうがんばっても、英語のネイティブスピーカーにはなれないでしょう。しかし、私たちが目指すべきなのは、本当に「ネイティブと同等の英語力」なのでしょうか?その前提から疑ってみましょう。

多くの方にとって、本当に目指すべきなのは「英語でスムーズなコミュニケーションを取れる状態」です。つまり、「ネイティブと同等の英語力」ではなく、どこで、誰が相手であっても問題のない「世界で通用するレベルの英語力」の獲得を目標にすれば良いのです。

この目標であれば、たとえ英語圏で生まれていなくても、間違いなく達成可能です。実際に、そういった「世界レベルの英語力」を身につけて活躍している非ネイティブスピーカーが、世界各国にたくさんいます。

参考記事:ネイティブレベルの英語とは?日本人が目指すべきゴールと14の勉強法

英語は早口で話すものである

非常に多くの方が、「英語=早口で話すもの」という思い込みを持っていますが、これもまったくの勘違いです。したがって、早口で話すことを目標にして英語を学習するのは大変危険です。

英語の「音」や「リズム」の原則を無視し、早口で話してしまうと、聞き手にとってはよくわからない呪文のようにしか聞こえません。あまりに聞き取れないと、やがて聞くこと自体をやめてしまうでしょう。

ネイティブスピーカーの英語が早口に聞こえるのは、スピードが速いのではなく、英語独自の音とリズムを使って話しているからです。したがって、日本人のあなたも、英語の音とリズムを使えるようになれば、結果的に「日本人には早口に聞こえるような」自然な英語を話せて聞けるようになります。

「英会話ができる」とはどういう状態を指す?

思い込みを捨てて自由になったところで、英会話学習のゴールを明確にしておきましょう。英会話ができるようになりたい、と多くの方が願っていると思いますが、「英会話ができる」とは、具体的にどのような状態を指しているのでしょうか。

自分の意見や思いを英語にできる

「英会話ができる」の定義には、まず「自分自身が考えていることや感じていることを英語で正しく表現できる」という状態が含まれています。

これを実現するには、頭や心のなかにある、まだ言語化されていない概念や感情に対して、ぴったり来る英語を探してきて当てはめるスキルを磨く必要があります。また、より正しく考えを表現するためには、中学校レベル程度の文法知識もあったほうがよいでしょう。

参考記事:英会話に文法は必要?知識を実践につなげるための学習法とおすすめ教材

その英語が100%相手に理解される

「英会話ができる」というためには、「表現した英語が相手に完全に理解される」必要があります。自分では正しく表現できたと思っていても、相手に伝わらなければ意味がありません。

受験など筆記テストのための勉強に励んできた方は、ここでつまずきやすいかもしれません。「文法上は正しい英語を書けるのに、それを声に出した途端、なぜか相手に伝わらなくなる……」と悩む方も多いです。

この悩みを乗り越えるには、次章以降で紹介する英語独自の音やリズムの習得が必須です。

相手の話す内容を100%理解できる

当たり前のことですが、どちらか一方だけが意見や思いを述べていては、会話は成り立ちません。英会話には、話すスキルだけでなく聞くスキルも必要です。ここまでに述べてきた2項目に加えて、「相手の話していることを完全に理解できる」こともまた、「英会話ができる」という状態を構成する要素の一つといえます。

ここで知っておきたいのは、人は自分が発音できる言葉は聞き取れますが、自分が発音できない言葉は認識できないということです。英語の音やリズムを習得して、それらを用いて話せるようになれば、英語を聞くスキルも自然と向上していきます。

英会話上達のコツ(1)発声法を習得する

ここからは、英会話上達のコツを7つ紹介します。

まず注目するのは「発声法」です。英語と日本語とでは、声の出し方がまったく異なるのをご存知でしょうか。日本語は、鼻や口先を使って発声する言語で、比較的平たい音で話されます。一方英語は、喉や胸のような深い場所から声を出す言語で、響きのある深い音が特徴です。

英語を話すスキルとして重視されやすいのは「発音」ですが、実はその手前にある「発声」を習得することも重要です。身体の深いところから声を出す練習を重ねて、英語ならではの発声法を体得しましょう。

英会話上達のコツ(2)英語特有の音を学ぶ

英語と日本語では、使われる音が大きく異なります。つまり、英語特有の音について知り、それを習得することが、英会話を上達させるポイントといえるのです。

英語には、日本語には存在しない音がたくさんあります。例えば、日本語の母音は「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」しかありませんが、英語ではもっと多くの母音が使われます。「b」「c」など、子音一つひとつが音を持っているという点も、日本語との明確な違いです。

英語を構成するアルファベット一つひとつ、またその組み合わせは、それぞれ固有の音を持っています。それらの音を正確に出す練習を重ねることで、単語や文章も正しく発音できるようになります。

参考記事:【音声付き】英語の発音記号一覧|英語の「音」に挑戦してみよう!

英会話上達のコツ(3)英語のリズムをつかむ

私たちが普段話している日本語は、比較的平坦なリズムで話される言語です。それに対して英語は、大きな抑揚をつけて話されるのが特徴です。日本語のリズムのままで英語を話すと、いくら文章として正しくても、相手にはなかなか伝わりません。

さらに、英語特有のリズムをつかむうえで必ず押さえておきたいのが、「シラブル(音節)」「ストレス(強勢)」の2要素です。

シラブル

シラブルは、単語のなかで1音として発音される単位のことを指します。
例えば、「スーパーマーケット」は、日本語では9音節あるように感じられます。しかし英語の「supermarket」には、「su・per・mar・ket」の4音節しかありません。

このように、日本語では基本的に1文字が1音節に対応しますが、英語では複数の文字が1音節に含まれます。こうしたシラブルの違いによって、「英語は早口で話される」という誤ったイメージがもたれやすいのです。

ストレス

ストレスは、特に強く発音される場所のことです。一つの単語のなかのストレスは「アクセント」とも呼ばれます。そして文章では、大切な部分だけにストレスがかかるのが英語の特徴です。つまり、強く話される部分が話の要点であり、最も重要な内容だということです。

このような英語独自のリズムを身につけることで、英語らしい英語を話せるようになり、相手の話している内容も理解しやすくなります。

英会話上達のコツ(4)英語思考を身につける

英会話の理想的なプロセスは、次のとおりです。

  1. 相手の話を聞く
  2. 話の内容を理解する
  3. 自分の意見を考える
  4. 意見を話す

しかし、英会話が苦手な方の多くが、以下のような手順を踏んでいます。

  1. 相手の話を聞く
  2. 話の内容を音声から英文に変換する
  3. それを頭のなかで日本語に訳す
  4. 自分の言いたいことを日本語で考える
  5. それを英語に訳す
  6. 英語に訳した内容を話す

後者のパターンでは、相手の音声をそのまま概念に変換できず、いったん日本語訳を介すため、コミュニケーションに時間がかかってしまいます。スムーズにコミュニケーションを取るには、前者のプロセスを習得することが大切です。そのためには、英語の音声と概念を直接つなぐ必要があります。

「Hello!」「How are you?」のような簡単な例文であれば、日本語を挟まなくても話せる方も多いのではないでしょうか。その感覚を広げる練習をしましょう。簡単にいえば、犬を見かけたときに「犬」ではなく「dog」と即座に連想するように意識するのです。単語や短い文章から、こういった訓練を始めてみてください。

英会話上達のコツ(5)毎日欠かさず継続する

言語を話したり聞いたりするのは、一種の身体運動です。したがって、頭で覚えるだけでなく、反復・継続によって身体で覚えることが必須になります。

自転車の補助輪を外したときのことを思い出してみてください。初めは補助輪なしでは到底自転車に乗れないように思っていても、何度も挑戦するうちに補助輪なしで乗るコツをつかみます。そして、次第に何も考えなくても、補助輪なしで自転車に乗れるようになったはずです。英語学習にも、似たような部分があります。

もっとも英語学習のほうが、自転車の練習よりも時間を要します。一日あたりの時間は短くても、なるべく長く学習を継続できるように工夫しましょう。英語学習を一つの生活習慣として捉えられると理想的です。

英会話上達のコツ(6)ネイティブからフィードバックを受ける

英語学習は、身体で覚えることが重要だと説明しました。そのためには反復と継続が必要ですが、そのときに誤った内容で練習を続けると、かえっておかしな癖がついてしまいます。

それを防ぐために必須なのが、ネイティブスピーカーからのフィードバックです。特に発音やスピーキングなどのアウトプットに関しては、自分の英語が正しいのか一人では判断することができません。必ずネイティブスピーカーによるアドバイスを受けて、正しい内容を身体に覚えさせてください。

英会話上達のコツ(7)英語を楽しむ

最後のコツは、英語を楽しむことです。

英語に限らずどのような分野でも、楽しみながら主体的に学ぶことで、大きな学習効果が得られます。「退屈な授業の内容はすぐに忘れてしまうのに、大好きな趣味のことならすぐ覚えられる」という方は少なくないはずです。

英会話学習でも、できるかぎり楽しんで学ぶ工夫をしましょう。例えば、自分が興味を持てる分野の教材を用いたり、お気に入りの洋画や海外ドラマ、洋楽などを使って学習したりするのもおすすめです。

【英会話】コツさえつかめば、あなたの英語力は飛躍的に向上する

今回の記事では、英会話上達のコツとして、以下の7つをお伝えしました。

  1. 発声法を習得する
  2. 英語特有の音を学ぶ
  3. 英語のリズムをつかむ
  4. 英語思考を身につける
  5. 毎日欠かさず継続する
  6. ネイティブからフィードバックを受ける
  7. 英語を楽しむ

コツさえつかめば、誰でも英会話スキルを向上させることができます。不要な思い込みは捨てて、それぞれの目標に向かい、ぜひ楽しみながら英語学習を継続してください。

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